研修で学んだことを現場で活用してもらうために

グループメンバーの共通点が見つかると、グループワークが活性かするか?

一つ前の投稿で、研修で、グループメンバー同士の垣根を低くする

「自己紹介(チェックイン)」の一般的な方法として、

 1.氏名と業務紹介…挨拶ネタ

 2.最近ハマっていること…雑談ネタ

 3.研修内容の悩みごと(業務でもプライベートでもOK)…業務ネタ

と書きました。

 

そうしましたら、読者から「受講者同士の共通点を見つけるワーク」を

実施すると仲良くなるかも、というメールを頂きました。

 

私の見解ですが、その通りです。

ただ、強い効果を発揮することもありますが、薄い場合もあります。

効果が薄い場合とは、どのようなことかお伝えします。

 

昔、私は「グループ内の共通点、何でもいいので1つでも多く見つけましょう」

というワークを実施していました。

目的は、仲良くなって、意見を言いやすくし、グループワークを活性化させるためです。

これを実施すると「出身地、趣味、休暇の使い方など」が出てきます。

しかし、ほとんどの内容が浅いのです。

本当に浅いんです。

時間をかけても浅いんです。

浅すぎるので「数多く出してもらいましたが、その中の1番強い共通点は?」

と聞いても、出てくるのは浅いんです。

これでは、互いの垣根は下がらないだろうな…と思っていました。

 

―――ちょっと雑談―――

20年くらい前、私は1か月間インドにいきました。

いわゆるバックパッカーです。

入国はニューデリーで、1ヶ月後にコルカタ(当時カルカッタ)から帰国というルートでした。

ジャイプール、バラナシなどの都市に行きましたが、その間、多くの日本人に会いました。

インドで会う日本人は、100年の友だと思いました。

最初だけは。

最初だけなんです。

行動を一緒にすると、すぐに互いに違うなって思い、翌日には別行動です。

浅い表面的な共通点(日本人同士)なんて、話をするとすぐに感じられなくなりました。

―――雑談ここまで―――

 

だからどうするか?

それは、相手の価値観を聞くことです。

共通点でなくてもいいので、その人の個性、価値観、思考回路を聞くんです。

それにより「自分とは違うけど面白いな」と、その人に興味を持ちます。

違っていいんです。

その人と共通の必要はなく、相手に興味を持ち、

正体がわかると垣根が低くなる変化へとつながります。

 

例えば、「鬼滅の刃」が好きと、表面上では、多くの人の共通点だったとします。

でも、どうして好きなのか?

キャラクターがかっこいい、かわいい、生き様が好き、

敵役の悪党ぶりがが振り切れている、敵役の悲しい背景を踏まえながらも

倒す葛藤が好きなど、好きの理由は違います。

価値観(理由)には個性があります。

この個性を知ると、「その人の人となり」がわかり、

正体が分かり、安心して話ができる関係に近づきます。

(前回のメール:時間の構造化の「雑談」を参照)

それにより、「悪い人じゃないかも」などの解釈し、垣根が下がります。

 

ですから、共通点を探すのではなく、

「私はこのような価値観を持っている」と表明するワークが効果的です。

プライベートでは「ハマっていること、休日の過ごし方、こだわりの備品」などなどでしょうか。

仕事では、「仕事時の感情」「悩み」「将来の野望」「退職後の悩み」なども、

その人の価値観が出やすいテーマなので、効果的と考えられます。

 

これらのことを研修冒頭で実施すると、その後の研修運営が楽になることもあります。

短時間の研修でも、無理してでも時間を割くこともありかもしれません。

 

最後に余談です。

グループ内の階層が離れている場合、最初のグループワーク時、

グループ内で一番肩書(年齢)が上の人に、「アホ」なことを言ってもらいましょう。

肩書の上の人がマジメすぎることを言うと、部下・後輩は、その水準に保とうとします。

「ハマっているのは鬼滅だな。ねずこちゃん、かわいいよなー。タイプなんだよ」

なんて言ったら、一気に水準が下がります。

その後に続く、部下・後輩は、なんと楽になることでしょう。

なお、講師が「年齢が上の人は、アホなこと入って下さいね。年下のためですよ」

なんて一言だけで、協力してくれる人は多いです。

(キャラクターがありますから、無理な人は無理ですが…)

 

いかがでしょうか?

みなさまの参考になれば幸いです。