2021年度の新人研修を振り返って(前編)
1.リアル研修の理由
2021年度は、営業担当と講師担当を含めて30日の稼働で、
オンラインが11日間、リアル19日で、リアルが2/3でした。
敢えてリアルで実施する理由は、社会人としての雰囲気、
空気感を肌で感じて、意識の切り替えをしてほしいということ。
また、テレワークで縦のつながりが期待できないため、
同期のつながり「同期意識の醸成」が必須と考えたようです。
離職防止の観点から、極力、リアルでの実施が多くなりました。
そんな話をしている中、別会社の講師が話していたのですが、
「同期意識の醸成」というのは、海外での生活が長い方から見ると奇異にうつるようです。
仕事でつながっているのに、なぜ同期意識が必要なのか?
これは、日本の社員の一括採用、仕事のつながりだけでなく会社の家族経営意識の残存、
会社員(一人ひとり)のコミュニティが家族と職場の2か所しかなく、
3rdコミュニティがなく(同期がいないと)まったく逃げ場がないなど、
日本固有のものではないか…? という話もありました。
もしそうだとしたら、日本も変わりつつあるので、
将来は「同期意識の醸成」が不要となり、全てがオンラインに変更になるかもしれません。
2.新人の傾向
今年は、真面目で、素直で、行動的で、意欲が高くて、理解が早い、すごい人が多かったです。
リアルの場合はですが、休憩中も、みんなで楽しそうにコミュニケーションを取っていました。
昨年は、携帯電話を見ていたり、机に突っ伏して寝ていたり、
席を外していたりしたり、そんな人が多い印象でした。
なぜか?
他の研修会社、講師、人事部など、いろいろと人から話を聞くと、
「コロナでリアルコミュニケーションに飢えている」では、
と推察している人が多かった印象です。
3.IQからEQ
IQは高く、パソコンスキル、知識、教養も高いと見ています。
敬語や電話の受付、PDCAの回し方などは、まだまだ力不足かとは思います。
ただ、そんな人も、真面目な取り組み姿勢などがありますので問題ありません。
ですが、私の意見としては、「思考する」「疑問に思う」点などについては弱いと感じました。
指示されたことは、素晴らしい完成度で対処できます。
しかし、自分で考えて、動くことが弱いと見えました。
(昨年は、指示されたことも難しい方が多かったですので、
今年が能力が高いため言えることで、通常はここまで見えません)
この傾向が続くのでしたら、
もっと「積極的に思考する力」を伴う研修を実施してもよいと見ています。
ただ、これらの力は、研修をきっかけとして、現場で長期的に養っていく力です。
そのため、これから研修のメインは「新人や若手社員の育成力の強化」になると予想しました。
研修の対象者が新人ではなく、新人(若手)育成担当者を対象にした研修がキーとなるような、
テレワークでの新人の育て方なんかが、これからのトレンドになるような気がします。
最後に、IQは高いが、EQは弱いとみている講師が多かったです。
レジリエンス(忍耐力)、思い通りにならない場合の心の持ち方、
感情表現、相手への配慮などです。
ただ、これも思考力と同じで、職場(環境)を整えて、長期的に育てる必要があります。
これも、新人に向けての研修と同時に、新人育成担当者の強化が必要かと思います。
さて、みなさんの会社では、新人研修を終えて、どのような振り返りをされているでしょうか?