学生の詰め込み教育
私の家庭の話です。
ある日、私の子どもが返却された英語の小テストを持ってきて、
「I □ to become a singer.(私は歌手になることを望む)」
「□に入る英単語は?」という問題を指さしました。
そこには「hope」と記入してあり、赤字で×がつけられていました。
私は「hope」で正解だよ。と伝えたところ、
子どもは「テキストに書いてある通りでないと×なの」と話していました。
正解は「want」だそうです。
で、子どもからの質問は、これでした。
「この問題、受験でも「hope」だと×なの?」です。
私は「受験なら正解だよ。受験生が全員共通のテキストなんて使ってないでしょ」
と伝えると、子どもは納得していました。
(その後に、wish hope wantの違いは伝えました)
また、数学の小テストを持ってきて、
質問は「この証明問題(例:△ABCと△DEFが合同な証明をせよなど)、
私の解答であってる?」でした。
これまた、横には赤字で×がついていましたが、子どもの解答を読むと正解でした。
「正解だよ、なんでこれが×なの?」と聞くと、
「テキストの通りの順番で、証明を書かないと×なの」とのこと。
模範解答と見比べて、私は「ここは順番は逆でも成り立つよ」と伝えました。
すると、子どもは、また「受験で正解になる?」とのことでしたので、
私は「もちろん正解」と答えました。
で、子どもはこれまた納得していました。
先週、子どもとこのようなやりとりがありました。
これが「今の義務教育は、詰め込み学習、暗記だけの勉強」と
揶揄される理由なのかもしれません。
ただ、そこで、子どもは一歩上の考えを持っていて、
「中学校のテストでは、そうだけど、受験は違う」と理解をして、
それを踏まえて勉強を重ねています。
子ども曰く、先生は超多忙とのこと、
それにも関わらず、次の日にはテストを返却するそうです。
(家に持ち帰って採点するそうです)
私は「一人ひとりの解答を読み込み、正解不正解を確認する労力・時間が足りない。
だから、機械的にやるしかないのかな?
まぁ、社会人になると、このような不条理、たくさんあるよ。
これも学校で体験できる勉強の一つだよ」と子どもと話しました。
現在、教職員にも、働き方改革で残業時間を減らすことが求められています。
部活顧問、保護者からのクレーム、生徒の多様性などにより業務が煩雑化したため、
超ブラック職場となり、担い手が少なくなってきたからと言われています。
しかし、残業を減らすなら、業務の効率化や人員増加などの対策を練らないとできません。
画一的な採点方法は、そのひずみなのかとも考えました。
さて、現実社会ではいかがでしょうか?
残業時間を削ること、ワークライフバランスを取ること、多様な意見を採用して挑戦すること、
これらは本当に大切なことです。
ですが、効率化などの対応策が図れていないと、仕事の質が悪くなるだけです。
もしくは、管理職が残業をしてフォローするようになり、
今度は管理職の担い手が少なくなります。
一方的に「残業削減!」とか「多様性を受容せよ!」とかの指示(テコ入れ)も必要ですが、
同時に、現場でしっかりと話し合うことも重要だと考えています。