オンラインのブレークアウトルームで、みんなが率直に対話できる仕掛け
オンライン研修では、受講者同士で、活発に率直に議論してほしいですよね。
ただ、前提としては、リアルだろうが、オンラインだろうが、それは難しいことです。
なぜなら、知らない人に率直に意見を言うことは難しいからです。
「受け入れられるか? 変なこと言ってないか? 馬鹿にされないか?」などなどと
考えてしまうからです。
これが普通の人です。
よほど「自分の意見を率直に伝えることは、他の方に良い影響を与える」などと
コミュニケーションの相乗効果を信念のように思っている人でなければ、
初対面では難しいでしょう。
特に、オンラインですと、
相手の反応が「ビデオによる限定的な視覚」と「聴覚情報」のみとなります。
(リアルは、まだ相手のいろいろな反応が見やすいので、まだましです)
これで開襟して話すことは、よほど図太くないと二の足を踏むのが普通です。
ただ、そのような中でどうすればよいのか? と考えてみます。
一つの考え方で、交流分析に「時間の構造化」という考えがあります。
これを業務上の相手との関係性にアレンジして(且つ、※3と4を入れ替えて)みます。
6つの段階があり、1が浅い関係、6が深い関係です。
会社の人を思い浮かべながら見て下さい。
1.閉鎖(互いに無視)の関係
2.儀式(挨拶だけ)の関係
3.仕事(業務上だけのつながり)の関係
→通常ここまで
4.雑談(プライベートの情報を互いに知る)の関係
5.対立(互いに互いの意見を言い合う、悪い意味ではない)の関係
→話し合える関係です。
6.親密(大の仲良し)の関係
通常は、「2.挨拶」して、「3.仕事」の関係まででしょう。
「4.雑談」の情報交換ができれば、「5.対立」にも行きやすくなります。
「5.対立」とは、文字通りの対立ではなく、
自分の意見を言い合い、情報を磨き合うことです。
「今日のランチ、中華に行こうよ。やだよ、和食がいいなー」このレベルも対立です。
こんな対立できない関係の人もいませんか?
それは、「4.雑談」がないからです。
そのため、研修でも、「4.雑談」までの関係を作るよう仕掛ければよいのです。
私の研修では、(リアルでも、オンラインでも)冒頭の自己紹介で話すことは下記3つです。
1.氏名と業務紹介…「3.仕事」の業務上のネタ
2.最近ハマっていること…「4.雑談」のプライベートネタ
3.研修内容の悩みごと(業務でもプライベートでもOK)…「自分の価値観」の紹介
2は、最近のmyトピックス、休日の過ごし方など、
その人の業務以外の内容でしたら問題ありません。
3は、研修に沿って自分の悩みを吐露します。
これは、その人の(業務&雑談の)価値観が出やすくなります。
些細なことですが、関係性が高まらないと、互いに話をすることはありません。
関係性の階段を上るために、時間をとらずにできます。
ほんの少し、場が和らぐ程度で、「やらないよりマシ」程度ですが、
悩んでいる方は実施してみて下さい。
なお、研修中のワークでも、「その人なりの雑談」が分かる演習を入れると、
仲良くなると思います。
(追)研修だけではなく、組織の中でもお願いですよね。