研修で学んだことを現場で活用してもらうために

愚痴は悪いこと…ではない?

2021年2月に、数回にわたり問題解決研修を実施しました。

私が担当する問題解決研修は、多くの場合、事前課題を出題します。

内容は、「自分の問題や職場の問題をできるだけ多く考えてきて下さい。

また、解決策を考えてきて下さい」という内容で出題します。

そして、事前課題を確認しながら研修を進めるのですが、

研修の途中で、受講者から「予想より大きな問題だった…」とか、

「問題ではなく愚痴だった…」とかの声があります。

 

理由は、研修中に、職場の問題に対して、目標を「適切に設定」するワークを実施します。

適切な目標設定ができない場合、その問題はただの愚痴になります。

目標ができたら、問題(課題)意識に変わります。

同時に、問題の大きさにも気づきます。

「適切な目標設定」ができる問題が、本当の問題であり、目標が設定できないのが愚痴と言ってよいでしょう。

一般的にも、問題とは「現状と目標の差である」と言われています。

 

ですから、とりあえず、愚痴は多い方が良いんです。

そこから、一つひとつの問題に適切に目標を設定できるかを考えれば良いのです。

このようなことは「質より量」なので、その中から問題意識を探し出すことが重要です。

ですので、日常が当たり前だと思わず、愚痴(不明不満)を言い、日々のことに疑問を抱くことが大切と考えます。

 

ただし、愚痴にはけっして飲み込まれないで下さい。

愚痴の沼に肩まで浸かり、ネガティブ状態になったとしたら、それはドツボにはまります。

ネガティブ状態になると、心が防御的になり、行動できません。

これが「愚痴はダメ」と言われる原因です。

ネガティブなのがダメなのです。

ポジティブ状態にして、心を行動的にして、目標設定などに向かっていくエネルギーを出して下さい。

 

まとめますと、

①日常のことを当たり前だと思わず違和感を持ち、愚痴を言い続ける。

②愚痴をポジティブに捉え、愚痴から目標(理想の状態)を思い浮かべる。

このように、行動的なポジティブ状態の愚痴は良いことになります。

 

さて…みなさんは、愚痴(不平不満)を大切にしているでしょうか?

みなさんは大切にしていても、みなさんの組織風土は愚痴を許す環境でしょうか?

愚痴を言ったら、その愚痴や言った人を排除していないでしょうか?

愚痴を言う人を見かけたら、ぜひ一言を言って下さい。

「で、どうなりたいの?」と。

十の内、八や九は目標がないかもしれませんが、一は宝の可能性があります。