研修で学んだことを現場で活用してもらうために

研修は楽しいか?

研修は楽しい場でしょうか?

意気揚々と、楽しい気持ちで参加する場でしょうか?

自分が成長できる機会だから、『楽しみだ!』という場でしょうか?

 

私が受講者の立場の場合は、1割が楽しい場だと思い、

9割がいやな場だと思って参加しています。

というのは、研修は「参加者が中心で進め、

知識を得るだけでなく、行動変容の機会になる場」と考えています。

 

例えば、野球を見に行く、コンサートに行く、映画を見るなどなど、

自分が当事者でなく、部外者であれば「100%楽しみ」という感情でしょう。

しかし、研修は「参加者が、バッターボックスに立つ」訳です。

もちろん、安全安心の場ではあります。

ただ、例えば、サーカスの30m上空の綱渡りの人は、最初は安全安心の10cmから練習します。

でも、10㎝でも怖いんです。

ちなみに、私は平均台でも怖いです。

ですから、当事者意識が強ければ強いほど、「研修は苦しい場所」と認識してもおかしくないと考えています。

また、変化することを(成長とわかっていても)怖いという感覚は、人として普通と思います。

だから、「楽しみ!」という人は、少ない方が良いと考えています。

(もちろん、研修が大好きで楽しみ!という人も、一定数いますが…)

 

最後に、講師の役割を一言。

参加者はバッターボックスに立つのを恐れています。

だから、講師の役割は、一人ひとりに「適切な」声掛けをして安心させることと考えています。

ある人には「相手はダルビッシュだ。目をつぶって3回振ってこい!」と言ったり、

ある人には「今日のダルビッシュはストレートでストライクが取れていない。

カウントと整えるスライダーをねらえ!」と言ったりします。

相手によって難易度を変えて、少しの知識を得て、

1㎜の行動変容を促すよう、後押しする役割と考えています。

これは講師の役割ですが、人事部や参加者の上司が、

研修に行く前に後押しして頂けると、

「楽しみ」にはならないでしょうが、少しだけ打席に立つのが楽になると思います。

何らかを試せる場合は、ぜひ実施してみて下さい。

 

私は、研修は「楽しい場」というより、「修行の場」と考えています。

「修行の場」は、「できないことに挑戦する場」ですから、「苦しい場」でもあります。

「楽しい」だけではありません。

みなさんは、どのように捉えているでしょうか?