研修で学んだことを現場で活用してもらうために

オンライン研修の短期と長期の視点

1.短期的な視点
昨今、研修会社は「研修のオンライン化」に取り組んでいます。
一方、企業側は、オンラインを念頭にしながらも、
研修内容によりリアルにするなどと、
リアルとオンラインを精査しているように見受けます。
その精査のため、研修の目的や内容を再度確認している企業が目に付きます。
特に、内容の吟味だけではなく、それ以外の要素に目を向けています。
学習内容だけではなく、他の研修の目的はあるのか?
例えば、同期の絆を深める、昇進した仲間意識を高める、ガス抜きなどです。
若手向けの研修は、ガス抜きや同期の絆の醸成の要素が大きいと、
はっきりと言う企業もあります。
ガス抜き=離職防止策という意味ですが、これならリアルが必須となります。
実際、今年の新人研修では、新入社員から
「相談できない」「不安だ」などの不満の声が多く聞こえました。

また、新人研修では、人事部が、新入社員の傾向を見て、
フォローするためにリアルで実施している、という意見もありました。
ただ、オンラインの方が新人の傾向が見やすいという人もいましたし、
表面的しか分からないという声もありました。
いろいろな意見がありますが、ある企業の育成担当者が、
これからは「昨年同様に実施」という既存の延長ではなく、
目的をしっかりと見返し、リアルとオンラインを見極めると話しています。

2.長期的な視点
短期的には、現状の教育体系の運営に集中している企業が多いですが、
長期的な方向では、「研修効果」を高めることに注目される予感があります。
研修効果を高める方法として、1つの研修でリアルとオンラインを併用していく
方法です。
例えば、
①最初にオンラインで理解し、現場で行動し、
②次にリアルで行動の結果を報告し、再強化し、
③最後にオンラインで確認する学習方法です(いわゆる反転学習)。
今後は、この流れが進むのでは…と考えています。
というのは、コロナ以前から「研修の効果なんてない」という声がありました。
そのため、オンラインでフォローしながら、変化を追いながら学習する。
これにより、研修で変化を生み出すことができると考えられています。
1-2日の短期学習から、1-3ヶ月の長期学習にして、
PDCAサイクルを回しながら体得していく流れです。
現場活用を振り返り、それに講師や受講者同士でブラッシュアップする。
新しい行動(変化)をすると、最初は当然うまくいきません。
その壁をみんなで壊していく方法です。
現場も上司も巻き込みやすくなります。

「わかる(理解する)」と「できる(実行できる)」は違います。
その「わかる」から「できる」になる過程は、
「わかる→現場で実施→失敗→調整→実施→失敗→調整→………できる」です。
簡単なことなら、このスパンが短く、難しいことなら長くなります。
だから、オンラインでフォローが効果的になります。

以前から、このような方法は存在しており、
アクティブラーニング、育成プロジェクトなどといっていました。
ただ、費用がかかる、集められない、現場の協力が得られない、
会場がないなどの理由から敬遠されていましたが、
コロナにより、オンライン研修が当たり前になり、実施しやすくなった雰囲気がします。

現在、弊社でも、そのような企画を数点検討しています。
近日中にご案内いたしますので、しばらくお待ち下さい。